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2016年1月27日水曜日

東アジア情勢に関する伊藤貫氏の現状認識

これは去年の暮れの解説ですが、この2年間の安倍外交と、中国の露骨な覇権誇示で、対日感情が一変したことと、それにも拘わらず米国の基本政策は殆ど変わっていないことを述べています。唯変わったことと言えば、封じ込めの重点が日本から中国にシフトしつつあるということでしょう。
その背景には、ピルズベリー博士のCHINA2049の出版を機として、CIAの少数派やペンタゴンを中心とする対中警戒派の影響力が増しつつあることが考えられます。
南支那海の埋めたて基地は、ミサイルの配備を待ってから叩くだろうというのが伊藤氏の観測と言うより断言ですが、尖閣については何もしないだろうと言っています。この3つの岩くらいは自力で撃退できるはずだと解釈するのが常識でしょう。近刊の正論での対談で、小野寺前防衛大臣が、「予想される非常時にどう対処すべきかは、日頃から首相と相談して方針を決めている。その点に関しては日本政府は結構しっかりしている」と語っています。
実際の展開シナリオがどうなっているかは知りませんが、例えば
 米国:覇権国としての実力誇示(埋め立て基地破壊)
 中国:挑戦国としての面子保持(安保理等での非難)
 日本:積極的平和主義の具体化(パトロール参加と応戦)
と言った筋書きが考えられます。
集団的自衛権が、アメリカの庇護を当てにしたものであれば、無意味だと言うのが伊藤氏の主張ですが、安倍さんの意図が米国への依存や米国への迎合であれば、確かにその通りで、野党の反対論も捨てがたいと思います。
しかし、安倍さんの意図はそれだけではないと思います。実質的な安全保障はどうせ核を持たなければ機能しないと割り切って、「積極的平和主義」というお題目の具体化と実績作りを狙っているのではないかと思います。
https://youtu.be/_0x5Bqzu8qg?t=7m50s

それにしても、伊藤氏の言うように、アメリカの自惚れと傲慢には付ける薬がありませんね。多極化が進んで相対的にパワーダウンするのを期待するしかないでしょう。そのときに日本がそのうちの一極を占めるためには、米国政府が反対し切れない状況が生じた際、機を逸せずに核武装の既成事実を作ってしまうことでしょう。
いずれにせよ、「国際社会において名誉ある地位を占める」ためには、核ミサイルに匹敵する何らかの報復手段を持つことが必須です。

TOKYOMX西部邁ゼミナール2015年末特別番組 「アメリカニズムを如何にせん」の前半戦

1 件のコメント:

  1. 下記は、2年前の解説ですが、米上下両院合同会議での演説や戦後70年談話の前年の対安倍感情がどんなに厳しいものだったかを教えてくれます。案の定、米国政府主流派の本音は日本を永久に独立させないことのようです。
    https://youtu.be/0NjhNWc_p-E?t=15m50s

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