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2014年11月13日木曜日

タイと日本・・植民地化を回避した知恵と気概

日本と並んで植民地化を回避してきたタイは、大戦中も対米中立を維持していましたが、日本の敗戦直前に対日宣戦布告し、戦後体制で戦勝国の地位を確保すると言う絶妙の外交力を発揮しました。

今回の軍事政権も、国際的な(欧米流の!)軍政否定論を百も承知の上で、米中対立の好機を捉えて、クーデターを決行し、腐敗政治家を一掃した上で、欧米に介入の隙を与える前に、早期の民生復帰を宣言すると言う離れ業を演じています。
戦前の日本の青年将校たちがお粗末だったのは、欧米に、クーデター= 軍部独裁=狂信的軍国主義、というレッテルを貼る口実と隙を見せたことです。
それでも、何もしない今の自衛隊よりはマシかも知れませんが・・そうかと言って、戦前の軍人以上に馬鹿正直な田母神氏を担いでクーデターなど起こしたら、その日のうちに米軍に制圧されてしまうでしょう。
裏で米国の了解を取った上で左翼一掃の手段として一芝居打つと言うのなら、ありえない話ではなくなりますが、米国主導でなければ実行不可能でしょう。。
それにつけても、タイの外交力には、驚嘆するばかりです。
幕末に高杉晋作や榎本武揚、西郷隆盛、らがやって以来、日本では誰もできなかったことです。 

タイの対米中立と対日宣戦布告を可能にしたのは、 駐アメリカ合衆国大使のセーニー・プラーモートが、本国政府からの対米宣戦布告の通達を拒否、対日レジスタンス運動を開始していたからですが、幕末の日本で幕府の命令に従わず、函館政府の独立を欧米に承認させた榎本武揚も同じことを考えていたに違いありません。 官軍に降伏する際、敵将黒田清隆に、日本にとって失うに忍びないとの遺言とともに ライデン大学留学中に学んだ『万国海律全書』を託したことからもその真意が、日本国の生き残り策だったことは明らかです。

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