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2011年11月3日木曜日

スティーブ・ジョブズのスタンフォード・スピーチ

アップル創業者スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式でのスピーチが、話題になっている。
リード大学中退の彼が、事業の天才として尊敬され、スタンフォード大学の卒業式という晴れがましい場所に招かれて、世界中から集まった秀才達を前に講演すると言うこと自体、異例でもあり、感動的でもある。

しかし、私がここで言いたいのは、そのことではなく、むしろ、彼の話は、成功者の結果論に過ぎず、その業績の大半は、彼の能力や決断に起因すると言うより、偶々そうなった巡り合わせの結果に過ぎないと言うことである。 だから無意味だと言うのではない。 彼の業(ごう)には、そうなるだけの因と縁の無限連鎖があったからで、決して偶々そうなったのではないと言うことだ。 これが、私の提唱する "因果必然の科学的モデル" からの解釈である。 仏教に傾倒していたと言う彼自身、そのことは十分承知していたに違いない。 ただ、大部分の非仏教徒の前で、言っても無駄だから素人分かりのする精神論でお茶を濁したのだろう。

私が、そう考える理由は、彼が、一方で"他人の人生を生きることで時間を無駄にするな"(仏語で言う"随所に主たり")といいながら、他方で"個々の事象の意味は、後になってそれらがどう関連していたのかを見なければ判らない"(人間万事"塞翁が馬")と言っていることで疑う余地がない。

彼が、前者で言いたかったのは、"勝手に生きろ" と言うことではなく、"どうするのが一番プラスか"は、後になって見なければ判らないのだから、"その時点でどうしてもやりたい" と思うことをやった方が良いと言うことだ。 また、後者で言いたかったのは、"そうすればきっと成功する" と言うことではなく、"結果がどうなるかは、自分の能力や判断で事前には決められないのだから、それに煩わされることで、人生の限られた時間を無駄にするな" と言うことだ。

好漢、Steven Paul Jobs に合掌

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