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2010年7月24日土曜日

経絡・経穴に関する一仮説

今年の3月末で通院リハビリが満18ヶ月に達し、病院でのリハビリが受けられなくなったので、いわゆるリハビリ施設への通所リハビリと訪問医療マッサージに切り替えている。
それにつけても、マッサージ師には通じても、医師には通じない(異常なしとして無視される)世界があまりにも広いのには、改めて呆れ返る。
例えば、以前から、どうして医学者(医者ではない)は、経絡・経穴に関する研究をしないのか不満だったが、これも一種の 『閉ざされた言語空間』 だと考えれば納得が行く。 要するに世の中の既得権者は、何事も事なかれ主義に徹することで現状維持を諮るのが得策と言うわけだ。 それが証拠に東大医学部からノーベル賞学者が出たためしがない。 国家予算の無駄遣いをしているのは何も役人ばかりではない。

そこで、私が一つの仮説を提出するので誰でもよいから研究結果を聞かせて欲しい。 医学者にその気がないなら、電子技術者でも類人猿研究者でも、興味がある人なら誰でもできるはずだ。 成果を挙げれば東大からも招聘されるかもしれない。 もっともそうなったらもっとましな大学から引く手あまたで東大なんぞの出る幕ではなくなるだろう。

つい、いつもの癖で前置きが長くなった。

【仮説】
経絡・経穴は、西洋医学の解剖学では存在しないといわれている。(cf.「医学の革命」関口益男 昭和13年) もしこれが事実だとすれば、経絡・経穴は、血管系、神経系、リンパ系のように物理的に存在する第4の循環系ではなく、血管系、神経系、リンパ系等の脳内地図・・言わば仮想循環系=情報循環系・・であり、いわゆるツボは、脳内地図上の特異点にあたると考えられないだろうか。 A点に刺激を与えるとB点に効果が伝わる(例えば首の後ろを圧迫すると眼病に効果があることは私自身12歳のときに経験した)のは、A点とB点が脳内地図上でリンクしているからだと考える。

これを、どのような方法で検証するかも含めて是非誰かに取り組んで欲しい。 こういうリスクの高いテーマを避けてノーベル賞など受賞しても尊敬には値しない。 ガリレオが尊敬されるのは、その時代のタブーに挑戦したからだ。

蛇足ながら、仮に成功したら、成果の発表にあたって、私のブログからヒントを得た位のことは付記していただきたい。

2010年7月23日金曜日

下村脩氏と村上陽一郎氏に敬意

下村脩氏と村上陽一郎氏に敬意を表する理由は、お二人とも 『閉ざされた言語空間』 に閉じ込められていないからだ。

まず、下村氏には謝罪しなければならない。
2010年2月5日金曜日 生還の損得勘定 のところで 「南部、益川、小林、下村4博士のノーベル賞同時受賞の快挙。とりわけ、南部、益川・小林3氏の物理学賞独占は、クラシック音楽についで学術の分野でもユダヤ人に追いつき追い越した証左。」 と書いたが、今日の日経 『私の履歴書』 を読んで、自分の無知と不明を恥じた。 これは、下村氏の業績、とりわけ、全米科学財団(NSF)の会長夫人の謬見とそれに追従する有機化学主流派の反論を孤軍奮闘して打破した勇気ある行動を知らなかった所為である。 このことは米国にもまた 『閉ざされた言語空間』 が存在したと言うことであり、それに対して果敢に挑戦しこれを突破した氏の偉大さを改めて認識した次第である。 ここに改めて不明を恥じ敬服の意を表したい。
そういえば受賞に当たって、氏が口にした言葉は意味深長であった。 「自分は受賞するなら 生物学賞 だと思っていた。 化学賞 だと聞いてびっくりした・・・ 」
もしかしたら、日本語で受賞者の業績を紹介したことと言い、米国勢に対するスエーデン政府の意地を見せたのかもしれない。

村上氏に敬意を表する理由は、氏が 『閉ざされた言語空間』 から派生する、あるいは意図的に流行らせられるミーハー的な略語(冬ソナ、スパコン・・・)に対して明らかに反感を示しているからである。 もっとも、私が期待するのはもっと直接的な表現で、それらの元凶であるマスコミを始とする勢力を叩くか、揶揄することであるが、ご自身がコラムニストとして登場するマスコミ(この場合は日経)を直接名指しで批判するのは憚られるのだろう。 せめて 冬ソナ、スパコン・・・の後に、カラオケ、スタメン、Gセブン、・・・と続けて欲しかった。 今後に期待したいところだが、東洋英和女学院大学長 の肩書きが有っては、期待するほうが無理だろう。 その意味では、氏も今のところ 『閉ざされた言語空間』 から用心深く外の気配を窺っているところかもしれない。

そうそう、東洋英和女学院 といえば、私のホームページ 『一期一会』『追憶十話: その5・・・1962年63年の夏』 で紹介した 越智伸男君の母堂(故人:生前お会いしたことがある)、お姉さんともに同校の出身でずっとコーラス部に所属して居られたとか。 姉君はご健在で今でもコーラス部の大御所として活動されているらしい。 そのことを知ったのは、彼が私のホームページの 『追憶十話: その2 ・・・1959年19歳の夏』 「イギリス民謡:春の日の」 に関わる思い出を書いたのを見て、 「母や姉がよく歌っていたので子供のころから知っている大好きな歌だ。 ホームページの完成を楽しみにしている・・・」 と書いて寄こしたからである。 本題には直接関係がないが、今の私にとっては、生きる張合いのひとつとなっているので、敢えて此処に記しておきたい。

2010年7月2日金曜日

ICT業界のコンセプト合戦

6月28日の日経朝刊で、ICT業界の所謂 “クラウド” 特集をやっていた。 まったく、この業界は空疎なコンセプトを振り回して人を騒がせるのが好きだ。 これは、今に始まったことではなく、1964年に米IBM社 が SYTEM/360シリーズ を鳴り物入りで売り出して以来、ずっと変わらない。

当時、私は富士通の新入社員だったが、某都市銀行から内緒で借り出した(もう時効だろう!) SYSTEM360 の解説書 "Concepts and Fascilities" の要約を命じられ、その体系的かつ論理明快な、しかし、空疎で大げさな記述に痛く感心したものだ。 内容は殆ど UNIVAC 社の OS (EXEC?) の焼き直しであった。 その後1968年10月に我々富士通が旧第一銀行で完成した OLTP の必須機能(排他制御とトランザクションリカバリー)を 日本IBM社 が実現したのは70年代の第2次オンラインシステムにおいてである。 さらに、同機能を 米IBM社 が提供するのは、何と80年代の第3次オンラインシステムになってからであった。

しかし、これを米国に対する日本の優位と考えたらとんでもない間違いを冒すことになる。 何故なら60年代に我々富士通の技術陣が ORBS (オンラインリアルタイムバンキングシステム) の開発で 日本IBM社 を抜いたと豪語しかけた時、米IBMワトソン研究所のフェローだった James Martin 博士が著した "Real Time" には、我々の考えた原理が精密かつ具体的に解説されていたからである。

これは何を意味するのであろうか。 つまり、敗戦後の日本以外の先進国において、最先端技術はすべて軍事機密として秘匿されているということである。 民間に開放されるのは、国家の存亡に影響のなくなった陳腐化したものだけだということを肝に銘ずる必要がある。 広島・長崎型原爆然り(水爆だけは教えない)、インターネット然り(軍事用スパイウェアーは教えない)、GPS然り(偵察衛星の精度は教えない)、日本が介護用ロボットで騒いでいる間に、気がついたときにはロボット兵器が量産されているはずだ。

話が逸れた。 新しい目眩ましのコンセプト "クラウド" に戻そう。 この特集では、専ら、新産業創造 に焦点が当てられているが、それはそれでよいとして、私がここで取り上げたいのは、米ツイッター CEO G・パス氏 と 国立国会図書館長・長尾真氏の話である。

パス氏は、4つの設計原則とかいろいろ例によって目眩ましのコンセプトを掲げているが要するに個人が好き勝手なことを世界中の誰とでも好き勝手なときに喋り合える巨大な井戸端を作ろうと言うもので、普通の日本人は、"それは楽しそうだ" あるいは、"それは儲かりそうだ" くらいしか考えないだろう。 私もそれだけであることを祈る。

しかし、ことによるとこれも軍事技術の戦略的開放の一環かも知れない。 つまり、世界中の呟きを監視し、反米的発言をスクリーニングするための技術開発が完了したので、いよいよ "呟き監視ネットワーク" の国際展開に乗り出したのかも知れないのだ。 少なくとも米国政府が安全保障のスクリーニングをパスしない技術を国外に開放することはない(これが厳然たる事実であることは世界中の識者の常識である)のだから、このくらいは当然と考えるべきだ。

長尾氏の指摘は、全国の学術情報を一元化し、日本中の学術情報を何処にいても利用可能にすることが学術振興延いては産業発展のために重要だというもので、それはそれで全くそのとおりである。

しかし、私がそれ以上に重要だと考えるのは、放っておけば蒸発(揮発)してしまう電子情報をいかにして後世に遺すかと言うことだ。 紙情報にはパピルス以来、数千年の人類の営為が記されている。 さらに、貝塚には、数万年前の営為の痕跡が残されている。 果たして、ホームページやブログ、はたまた、2チャンネルやツイッターにどれほどの寿命が期待できるだろうか。 つまり、私がここで言いたいのは、便利にすることばかりでなく、後の世に残すことも考えようということだ。 そうすることで、コミュニケーションの相手を未来にまで拡げることが出来るではないか。

そこで、この際、情報貝塚 構想(The Concept of Information Shellmound) を提案する。